[[財務会計]]に記帳する、勘定科目のこと。英語ではAccount Code/Accounting Codeと表記する。
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* 概要 [#a685e0cf]
SAPの重大な存在意義である金勘定の、最も大きな軸となるマスタ。
属する[[勘定コード表>財務会計/勘定コード表]]レベル&その下位にあたる実際に取り扱う[[会社コード>財務会計/会社コード]]レベルと、他の主要マスタと同じく階層構造になっている。
ここから[[財務諸表バージョン>財務会計/財務諸表バージョン]]を編集し[[B/S>財務会計/貸借対照表]]や[[P/L>財務会計/損益計算書]]を出力したり、[[管理会計]]における[[原価要素>管理会計/原価要素]]を登録し[[原価要素会計>管理会計/原価要素会計]]に繋げたり、レポーティングのための[[セット>SAPの共通用語/セット]]を編集したり、SAPの中では[[品目マスタ]]や[[得意先>得意先マスタ]]/[[仕入先>仕入先マスタ]]に並ぶ重要な要素となる。
** デザインについて [#ra230c3a]
*** 粒度 [#h95f1ecd]
似たような勘定・分ける必要のない勘定の存在を許してしまうと、コンフィグや[[COグループマスタ>管理会計/グループマスタ]]のメンテが煩雑になり保守性が低下、変更に弱くなってしまう。
これはAs-Isをマッピングすると陥ってしまいがちな現象で、なぜAs-Isがそうなっているかというと、多くの場合は''勘定を分けるしかレポーティングする術が無い''ことに起因する。
SAPでは多様な切り口があったり、[[管理会計]]をはじめ目的に合わせた機能を用いることで''[[財務会計]]に全ての機能を求めずに済む''わけなので、面倒だし露骨に「ウチらの仕事に文句あんのか」という顔をユーザにされたりもするが、ロジ側を含めたシステム全体の品質に関わるため継続的に啓蒙・誘導活動を続けていきたいものである。
*** コード体系 [#p4ebb6f2]
[[COグループマスタ>管理会計/グループマスタ]]を利用した[[レポートペインタ>SAPの拡張手段/レポートペインタ]]や[[財務諸表バージョン>財務会計/財務諸表バージョン]]の定義、ひいては[[間接費配賦>財務会計/配賦]]の利用などにおいても、基本的には''まとまりのよい範囲でfrom〜toを定める''ことを念頭に置く。
具体的には、下記の様なもの。便宜的に数字で表したが、A〜Eの英字でもわかりやすい。
これらに加え、より細微な管理ニーズが出てきた場合に備え何桁かの枝番を用意しておけばok。
-[[資産>財務会計/資産]]:1000000000〜1999999999
--[[流動資産>財務会計/流動資産]]:1100000000〜1199999999
--[[固定資産>財務会計/固定資産]]:1200000000〜1299999999
--[[繰延資産>財務会計/繰延資産]]:1300000000〜1399999999
-[[負債>財務会計/負債]]:2000000000〜2999999999
--[[流動負債>財務会計/流動負債]]:2100000000〜2199999999
--[[固定負債>財務会計/固定負債]]:2200000000〜2299999999
(以下、同じような感じで分けていく)
-[[資本>財務会計/資本]]:3000000000〜3999999999
-[[収益>財務会計/収益]]:4000000000〜4999999999
-[[費用>財務会計/費用]]:5000000000〜5999999999
こうしておき、[[財務諸表バージョン>財務会計/財務諸表バージョン]]やグループマスタに範囲として定義しておけば、コードが増えようが廃止されようがメンテしなくてよい作りにすることができる。
** 登録方法について [#l64235d2]
*** 本稼働前 [#g082c1d7]
代表的な手段として、[[CATT>SAPの拡張手段/CATT]]や[[汎用バッチインプット>SAPの拡張手段/汎用バッチインプット]]が挙げられる。
後者はPJが購入しているなら・・・なので、まぁ多くの場合は前者で良いだろう。タダだし。
[[検証機>SAPの構成/検証機]]〜[[本番機>SAPの構成/本番機]]においても同様だが、この場合は元ファイルの編集ミス・バージョン管理の不徹底・複数担当者メンテによる齟齬などに気をつけないと危ないので注意。
また、筆者は試したことが無いが、下記の手順でもできるようだ。
+マスタ自体を[[開発機>SAPの構成/開発機]]や[[検証機>SAPの構成/検証機]]の元環境に登録
+[[トランザクションコード>SAPのオブジェクト/トランザクションコード]]FS15で[[物理ファイル>SAPのオブジェクト/物理ファイル]]を生成
+作成した物理ファイルをコピー先の環境へ置く
+[[トランザクションコード>SAPのオブジェクト/トランザクションコード]]FS16でサーバに置いた[[物理ファイル>SAPのオブジェクト/物理ファイル]]より更新
*** 本稼働後 [#ifc5b2a2]
稼働後はそんなにポコポコ増えるものではないため、メンテナンスは標準で用意されているTr-CD:FSP0とFSS0がで構わないと思う。[[品目マスタ]]と違ってうんざりするほどのビューがあるわけでもないし。
稼働後はそんなにポコポコ増えるものではないため、メンテナンスは標準で用意されているT-Code:FSP0とFSS0がで構わないと思う。[[品目マスタ]]と違ってうんざりするほどのビューがあるわけでもないし。
なお、勘定をいじっていい人間であれば実質どちらをメンテナンスしても構わないケースが殆どであるため、双方を兼ねるFS00一本でよいかと思う。
* ビューと項目 [#b3c48631]
** 勘定コード表レベル [#hd17b69a]
ひとまず、取り扱う組織が使用する[[勘定コード表>財務会計/勘定コード表]]レベルで定義する。
*** タイプ/テキストタブ [#na77f7c2]
-[[勘定コード表>財務会計/勘定コード表]]での管理
勘定が[[B/S>財務会計/貸借対照表]]のものなのか[[P/L>財務会計/損益計算書]]のものなのか、コードの[[番号範囲>SAPの共通用語/番号範囲]]や入力項目をコントロールする[[勘定グループ>財務会計/勘定グループ]]は何であるかを指定する。
-テキスト
20文字の短と、50文字の長を指定。
-[[勘定コード表>財務会計/勘定コード表]]の連結データ
--[[取引先>財務会計/連結会社]]
[[連結会計>財務会計/連結会計]]において、内部取引の相殺のために設定する。
別にSAPで連結をしなくとも、外部との[[インタフェース>アドオン/インタフェース]]項目にあるとないでは雲泥の差。
--[[グループ勘定コード>財務会計/グループ勘定コード]]
[[勘定コード表>財務会計/勘定コード表]]レベルで指定した[[グループ勘定コード表>財務会計/グループ勘定コード表]]の勘定コードをマッピングする。
*** キーワード/翻訳タブ [#i5a8515f]
-[[勘定コード表>財務会計/勘定コード表]]キーワード
[[言語キー>SAPの共通用語/言語キー]]ごとに翻訳・・・するようだが、何に使う?
-翻訳
[[言語キー>SAPの共通用語/言語キー]]ごとに翻訳。
*** 情報タブ [#l7cc0530]
登録日付および[[登録者>SAPの共通用語/ユーザマスタ]]、[[グループ勘定コード表>財務会計/グループ勘定コード表]]。
後者については、割り当てられた[[勘定コード表>財務会計/勘定コード表]]でない[[勘定コード表>財務会計/勘定コード表]]で[[財務諸表>財務会計/財務諸表]]を照会するために設定し、例えば中国はお国で決められたものがあるので、それでレポーティングするための割当。
** 会社コードビュー [#kb1e800e]
次に、使用する[[会社コード>財務会計/会社コード]]ごとに拡張する。
*** 管理データタブ [#z10c7979]
-勘定通貨
その勘定コードが機軸とする[[通貨コード>SAPの共通用語/通貨コード]]を指定する。通常は[[会社コード通貨>財務会計/会社コード#v362f42c]]。
-国内通貨フラグ
チェックすると、その勘定は外貨 = [[会社コード通貨>財務会計/会社コード#v362f42c]]以外で転記しても国内通貨額のみが更新される。
-評価グループ
使ったことがない。
-[[税カテゴリ>財務会計/税カテゴリ]]
勘定コードに転記してよい[[税コード>財務会計/税コード]]およびその種類を定義する。
-[[税コード>財務会計/税コード]]なし転記可フラグ
[[伝票>SAPの共通用語/伝票]]の明細に[[税コード>財務会計/税コード]]が割り当てられていなくとも転記していいよ、ってフラグ。
-[[統制勘定>財務会計/統制勘定]]区分
代表的な例では、その勘定が債権/債務絡みの場合に設定する。
システム的に言えば、補助元帳と総勘定元帳のつなぎ区分のようなもの。
-代替勘定コード
[[財務諸表バージョン>財務会計/財務諸表バージョン]]を使用して[[財務諸表>財務会計/財務諸表]]を出力するにあたり、レガシーのコードなど同じ[[勘定コード表>財務会計/勘定コード表]]の中で代替となるコードを使用する場合に設定するらしい。
-外部勘定フラグ
使ったことがない。
-[[インフレーションキー>財務会計/インフレーションキー]]
[[インフレーション会計>財務会計/インフレーション会計]]を使用する場合に割り当てるらしい。
-[[許容範囲グループ>財務会計/許容範囲グループ]]
使ったことがない。
-明細[[消込管理>財務会計/消込管理]]フラグ
これにチェックすると、[[消込管理>財務会計/消込管理]]の対象勘定となる。
-明細照会フラグ
[[勘定コード>財務会計/勘定コード]]明細照会を利用可能とするか否か。基本的にはOnでよいのではなかろうか。
-[[ソートキー>財務会計/ソートキー]]の内容
レポーティングや消込で大活躍の[[ソートキー>財務会計/ソートキー]]だが、デフォルトで何を割り当てるかを設定する。
各種の日付や伝票番号がデフォルトで用意されており、また任意定義も可能。
-[[権限グループ>権限管理/権限グループ]]
[[権限オブジェクト>権限管理/権限オブジェクト]]に割り当てる[[権限項目>権限管理/権限項目]]の値とリンクさせるフィールド。
-[[記帳担当者>財務会計/記帳担当者]]
[[連絡文書>財務会計/連絡文書]]なり標準レポートなりで使う。確か。
-[[ジョイントベンチャ会計>財務会計/ジョイントベンチャ会計]]のリカバリフラグ
使ったことがない。
*** 登録/銀行/金利タブ [#wc1d6a8c]
-[[項目ステータスグループ>財務会計/項目ステータスグループ]]
任意入力・必須入力・非表示など、[[伝票>SAPの共通用語/伝票]]登録時における項目の画面レイアウトを調整するキー。
なお、画面レイアウトについては[[転記キー>財務会計/転記キー]]にも依存するため、必ずしもここで一意になるわけではない。
-[[自動仕訳>ロジスティクス共通/自動仕訳]]のみフラグ
これをチェックすると、マニュアル計上が不可能となる。
更新ルートを絞るため、システム自動処理だけの更新としたい場合に設定する。
-[[自動仕訳>ロジスティクス共通/自動仕訳]]への情報追加可能フラグ
[[自動仕訳>ロジスティクス共通/自動仕訳]]で起きた明細への更新を可能とするフラグらしい。
-[[統制勘定>財務会計/統制勘定]]入力可能フラグ
あまり意識して設定した記憶がない。
-[[計画レベル>財務会計/計画レベル]]
[[資金管理>財務会計/資金管理]]で使用する項目。
-キャッシュフロー関連フラグ
名前だけで判断すると[[キャッシュフロー計算書>財務会計/キャッシュフロー計算書]]のための項目だとは思われるが、使ったことがない。
-[[取引銀行>財務会計/取引銀行]]
//例えば、同じ銀行でも[[通貨コード>SAPの共通用語/通貨コード]]別に口座が分かれることがあるが、そういうときに使うのだろうか?
//対外的な取引であれば、基本的に[[仕入先マスタ/銀行ビュー]]に持たせるのが一般的かと思うが、例えば[[通貨コード>SAPの共通用語/通貨コード]]別に定義される銀行勘定なんかは、ここに持たせても良いのかもしれない。
口座勘定である場合に割り当てる。
-[[口座ID>財務会計/口座ID]]
[[取引銀行>財務会計/取引銀行]]とともに設定する。
-[[金利計算フラグ>財務会計/金利計算フラグ]]
自動金利計算を行う場合に割り当てるらしい。
-[[金利計算周期>財務会計/金利計算周期]]
何ヶ月単位で計算するかを設定するらしい。
-最終金利計算基準日
[[金利計算プログラム>財務会計/金利計算プログラム]]ってのを使うらしい。
-最終金利計算実行日
[[金利計算プログラム>財務会計/金利計算プログラム]]ってのを使うらしい。
*** 情報タブ [#y9f7bdeb]
[[勘定コード表>財務会計/勘定コード表]]レベルで表示されている項目は割愛するが、対象の財務会計/会社コードの[[勘定コード表>財務会計/勘定コード表]]や[[会社コード>財務会計/会社コード]]の[[国コード>SAPの共通用語/国コード]]、[[会社コード>財務会計/会社コード]]が属する[[管理領域>管理会計/管理領域]]などが表示される。
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