品目マスタ のバックアップ(No.3)
品目マスタとは、品とその属性や性質をシステムに表現したレコードのこと。
概要 †
なぜ品などという漠然とした表現をするかというと、製品・商品といったいわゆるすぐに売れるモノ、半製品・原材料といったまだ売れないモノ、消耗品・梱包材などの売るものではないモノ、さらに運賃やサービス料などのモノですらないモノすら包含するためである。
これらを販売管理、在庫管理、購買管理などの各プロセスで、目的に応じて使用する。
大括りな分類 †
品目マスタの登録時、外部採番であればコード自体の他に指定する2つの項目について。
品目タイプ †
大きくは、上記の大括りな性質について、コード体系・使用するビューや項目の使用可否・金額/数量管理の対象であるか否か*1などを設定し、住み分けるための要素。 例えば、販売対象と対象外はコード体系を分けたい、サービスや運賃を表現する目的を鑑みれば保管場所ビューは要らない、などの制御を目的に定義される。
産業コード †
他にも色々あるが、画面の項目選択などに絡む・・・とだけ。 とりあえず、大抵の場合はC(化学)を入れとけってことで、それ以外のものを使用している事例はあまり聞かない。
コード体系 †
詳細は、番号範囲に譲るが、大まかに言えばマスタのコードそのものに保持したルールのこと。
規定するメリット †
大きくは、視認性の向上、検索効率の向上、処理を自動化やレポーティングのサマリを前提として、システムが判断可能な基準を設けることが挙げられる。 前者で言うならTシャツ系はT始まり・Yシャツ系はY始まりであれば担当者や所属部署は特定しやすいであろうし、後者はチェック/代入のルールに用いることができる。 但し、コード体系を規定するに当たり、良いことばかりではない。
メリットおよび前提条件 †
・面倒くさい ・コード管理部署が無ければ統制が取りにくい、ないし統制を取るための機能が必要となる ・組織や事業を組み入れた場合など、コード体系自体が陳腐化し得る ・細分化するレベル、レコード数、桁長(標準なら18)によっては、コードが足りなくなる など。
定義の例 †
メーカーにおける品目 †
まず、派生品的な品目が多く存在し、且つそれらをカテゴライズするニーズが高いこと、他業種と比較すると品目数およびその改廃頻度が相対的に少ないことから、有意採番に優位性があると考える。
商社における品目 †
在庫の取り扱いはあるもののメーカー程の比率でなく、Back-to-Backや手数料のみの商いが多いこともあり、有意採番が良いと考えるが、メーカーで採用する程の細微・緻密なコード体系は不要と思われる。 理由としては、私見だが在庫するような商品もドカっと仕入れてドカっと売る商いが多いこともあり、あまりにも細微な定義はむしろ足を引っ張るだけにもなりかねないため、荒いレベルでの有意体系+無意が妥当と考える。
消費財における品目 †
標準の18桁を1番から無意味連番としてすら足りなくなる程の品目数を誇るため、有意採番は非常に難しい。 また、改廃頻度が非常に高く取り扱い部署も非常に多いこと、在庫管理ニーズや所要管理ニーズが低いことも有意採番を採用しない要因となっている。
SAPにおける構成 †
他の主要マスタと同じく、階層構造となっており、下記に大別した。 補足として、Tr-CD:MM01ではタブストリップで色々と入力するところがあるが、必ずしも保存先が分かれている訳ではなく、例えば一般プラントタブと購買タブの保存先は、どちらもMARCである。 ※テーブルについては、品目マスタ/関連テーブル参照。
- プラントビュー 利益センタや利用可能在庫確認の確認グループなどのプラント依存情報を保持し、Table:MARCに保存される。
- 会計ビュー 評価クラスや評価カテゴリをはじめ、原価管理区分や移動平均原価や標準原価など品目原価に係る評価レベル依存情報を保持し、Table:MBEWに保存される。 なお、一般的には評価レベルの定義がプラントレベルなこともあり、プラント依存と考える人もあるが、ちょっと違う。
- 貿易管理ビュー HSコードがマッピングされる統計品目コードやCAS番号や原産国など、貿易絡みの情報が保存される。 なお、タブとしては輸出と輸入に分かれているが、何れもプラント依存であり、Table:MARCのプラントビューと共に保存される。
- 追加データ
- 言語キーごとの品目マスタ/品目テキスト
- 代替数量単位と換算係数
- テキスト
- 基本データテキスト
- 検査テキスト
- 内部コメント
misc †
コンフィグの仕方やその豆知識など、つらつらと。
- 品目マスタ/登録画面の画面順序 Tr-CD:MM01の画面は、実はコンフィグ。その解説を。
- 化学品などの含有物の管理について 代表的なものとして、主要含有物の含有率の把握と、含有物ごとの含有率の管理ニーズがある。 背景として、科学分野での取り扱い品目では、化審法・消防法・安衛法などの業法が関与し、それらの対象となる品目か否かの把握であったり、一定期間に一定の数量までの商いにしなければならず、ウオッチしなければならなかったり、輸入時に特定の届出を出している倉庫でしか保管できない品目があったり、品目の含有物ごとのHSコードや実ロットをトレースできていなければならない・・・・などが挙げられる。
これについて、主要含有物の含有率であれば、どこかの空き項目やAppendしてもタカが知れているので大したことはないが、裏を返せばそれ以外は把握できないため、33.33%×2の品目が出てきたり、2番目に多い含有率の管理ニーズが出てきた瞬間に破綻することは忘れてはならない。
簡易な把握のみであれば主要含有物のみをマスタ上に保持すればよく、大して工数も費やさずに実現できるという良い点はあるが、上記の通り変化に弱いため、「強いシステム」たるには、含有物ごとの含有率を管理するのが上策かと思う。
ただ、品目ごとに含有物や含有率は普遍であるという前提は、いずれの場合も念頭に置いたほうがよく、変更になる場合は新しくコードを取る方が無難。 また、酒類のアルコール度数のように同じ製品でも含有率が一定のレンジで変動する場合は、ロット特性に持たせることも一案かと思う。
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