購買管理/外注加工 のバックアップ(No.1)
仕入先に原材料を支給し、完成品を納めてもらうプロセスのこと。委託加工とも呼び、英語ではSubcontracor Processing Order。 完成品と原材料の関係は、BOMで表現されることが多い。
概要 †
大きくは、有償支給と無償支給がある。
前者は加工業者に原材料を売り完成品を原材料コミの金額で買い戻すという流れであり、通常の売りと仕入とかわらない手続きが必要となる。また、加工業者にしてみれば自分の金で仕入れるわけだから原材料を大切に使う。
後者は一旦タダで原材料を引き受け、そこから加工し、加工賃を請求する流れで、加工業者にしてみれば自分の金でないわけだから有償支給ほどは原材料を大切にしない。まぁ、完成品あたりに要する原材料の量はほぼほぼ決まっているわけで、あまり粗末に扱っているとお叱りを受ける訳ではある。
また、加工業者も大手ばかりでないわけで、小さな工場などでは一度買う形をとるとキャッシュがまわらないという切実な問題が起こり得るので、こういった状況を回避するためにどの国でも下請法という法律があり、ある程度の規模に満たない業者に対しては無償支給プロセスを強制することによって保護するようになっている。 また、金のやり取りを二度から一度にすることで、サプライチェーン全体で見ると証憑の発行や銀行残高管理の簡素化、銀行手数料の節約などができるという背景もある。
というわけで、もちろん有償支給でも取り扱えるものの、SAPで実現するプロセスは基本的には無償支給と考えていい。
余談だが、インドの委託加工プロセスでは、原料の支給倉庫と同じ倉庫に180日以内に完成品を納めなければならないらしい。
プロセス †
大きくは、下記の3プロセスがある。
原材料の支給 †
倉庫在庫を、在庫転送にて加工業者の在庫に振り替える。 「自社の在庫ではあるが、通常の利用可能在庫ではなくサプライヤにある在庫」という性質は、特殊在庫O(仕入先支給品)で表現される。
あるいは、そもそも在庫を購買したタイミングで外注加工先に入庫するというパターンもあり、その際は明細の「外注Ven」というフラグをチェックし、加工先のコードを入力する。
完成品の入庫 †
購買発注伝票を登録し、出力管理にて外注加工依頼書を印刷することが多い。 購買管理/発注明細カテゴリにLをセットすることで、通常明細と区別される。 ある程度定型的に処理できる場合(BOMの子品目=原材料が普遍、消費量も概ね一緒など)は、BOMをメンテしておけばミスなく処理できる。
加工賃の支払 †
こちらは、通常の請求書照合と同じ。
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