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ロジスティクス共通/洋上在庫 のバックアップ(No.1)


いわゆる輸送中の商材を指す。

概要

まずは総括として、倉庫在庫ではないが、自社が責任あるいは所有権を保持する状態のと表現することができる。

これについて、在庫出荷取引仕入先直送取引、CustomerとSupplierをつなぐが仕入先直送取引のように主体的に商いに関わらないコミッション取引で取り扱いの性質が異なる。

在庫出荷取引

在庫出荷においては、倉庫から払い出した瞬間に自社の在庫管理対象ではなくなり、かつDDPに代表されるtermでは、先方への着荷まで自社が責任ないしリスクを持つ。

具体的には、一般的に出庫確認時に在庫の相手勘定として売上原価を計上するが、これを販売積送品という勘定をもって表現する。 その後、着荷や先方検収の日付をもって請求伝票を登録するのだが、ここで一般的な「売掛/売上」という仕訳と共に、売上原価/販売積送品という仕訳を起こし、帳尻を合わせる。 取引通貨が外貨であっても、自社在庫であるためにVPRSを経由して国内通貨額で管理されており、必ずバランスするということもポイント。

これにより、

  • もし売上計上を先方検収まで待ってしまうと、倉庫に存在しない在庫がシステム上存在してしまうが、これにより解決する
  • 在庫の払出はB/SC/Fにインパクトがあるが、販売積送品というB/S勘定が吸収する*1
  • 出荷=在庫の払出と着荷=売上計上が月を跨ぐ場合でも、売上原価と売上の期間帰属にズレが出なくなる

などのメリットが享受でき、詳細は販売積送品ソリューションを参照されたい。

後述の仕入先直送取引と違い、技術的および運用面でのハードルは存在しないため、IFRSの適用は置いておいても、是非この基準の適用をお勧めする。

仕入先直送取引

難易度が高いのがこちら。

SAPの標準プロセスでは請求書照合での売上原価計上なわけだが、上記の在庫出荷取引と同じノリで考えると、諸々のハードルが登場する。

実現論としては、同様に積送中の資産を表現する勘定コードを用意し、仮勘定のように使用するのだが、売りと買いで通貨やレートが異なる場合に為替差が出るという課題がある。

当然ながらアドオンなしに金額をマッチさせるような標準機能は用意されておらず、取引ごとにバランスさせようと思ったら価格決定表に計算用の条件タイプやルーチンを用意するか、または日次バッチでの伝票登録が必要となる。

週次や月次など「定期的に帳尻を合わせればいいや」と妥協する場合は、その都度アドオン機能を実行したり、更に妥協して勘定残高ベースで振り替えればいいや・・・という易きに流れる案もある。

但し、商社のように取引別・契約別の損益を重視したり為替差が重要なファクターとなる場合は、決して歓迎されないだろう。

コミッション取引

この商いにおいては、自社が在庫管理している商材を扱うわけでもなければリスクを負うわけでもないため、全く考えなくて良い。




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*1 小細工の余地がなくなる、とも言うが