財務会計/債権管理
顧客への債権とその回収、それらの業務遂行に必要な情報管理を行う。 コンポーネント名はFI-ARで、Accounts ReceivableやA/R(エーアール)と表記する。
概要 †
要は得意先補助元帳とそれを支える機能であり、売掛金や未収金の残高と明細を得意先別に管理し、入金があれば照合、なければ督促状を発行する・・・というのが主たる流れ。
また、年次や四半期ごとの頻度で自社と相手先で認識が合致しているか突合せを行う「残高確認」などもイベントの一つ。
債務管理については、基本的には自社側が把握している情報で完結するため、自動処理やコントロールが可能であるが、債権管理については顧客の入金とそれに至るまで顧客がどうアクションを取るかがトリガであるため、債権管理の方が業務的な難易度は高いと言える。 例えば、請求書通りの額で支払わない客、勝手に一部だけの入金をしてくる客、勝手に手数料をこちら負担で送金してくる客などは枚挙に暇がなく、システムでは判断できず人間がひとつひとつ見極めなければ正体がわからない・・・というケースは少なくない。
銀行の履歴から明細を取り込んで自動消込を行う等をすれば違うのだろうけども、結局は「どの債権を引き当てるか」である。
源泉 †
メインどころは、以下の2つ。 他にはGTMや代行取引があるが、前者は直接的に計上するものではなく他の伝票を経由すること、後者はまったくメジャーでないため割愛。
販売管理からの転記 †
筆者はスプリットを使用した経験が無いため従来からのベーシックな形で言えば、収益明細は請求伝票明細レベルで、それらの合計額が統制勘定明細となり債権管理に転記されることとなる。
財務会計からの転記 †
FIのみの導入でなければ、営業取引外の債権計上が対象となる。
SDからの転記については、会計伝票の各項目に設定される値はアドオンしない限り殆ど標準ロジックが支配する世界だが、FIから入力する場合は各項目に手入力できるメリットがある。
部門別の債権管理 †
事業領域よりも細かいレベルでの部門別債権管理を行いたいという場合、利益センタが利用されることが多い(最近ではセグメントだろうか?)。
しかし、債務管理でも同様だが、SAPでは統制勘定に転記する際は、統制勘定明細は伝票に一つだけという制約があり、つまり1伝票に複数の利益センタが割り当てられている明細がある場合、代表値となる利益センタに寄せられてしまうという現象が起きる。 そのため入力する伝票自体を分割する必要があるのだが、運用上の手数が増えて時間がかかる或いは面倒臭い、その結果ミスも増えるなどの理由により中々そうもいかない。
それを解決する手段として、ECCからの新機能であるスプリットを利用することができる。
コメントはありません。 Comments/財務会計/債権管理