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仕入先マスタ/ワンタイム仕入先

Last-modified: 2020-01-09 (木) 13:29:00
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マスタ化する価値の無い一見さんとの取引に使用する、使いまわしマスタ(コード)のこと。 登録の手間が省けるかわりに、名称や住所などは使用する都度に入力しなければならない。

なお、これを使用することによるトラブルが散見され、SAP Noteが山程出ている。



概要

まず特筆すべきは、「実体が異なる取引先を、ひとつのコードで表す」=要は使いまわすという、管理面の厳格さよりも運用面の楽さを優先したSAPの中では珍しい存在であるということ。 基本的にSAPでは、データの整合性を保ち管理・統制を保つため、厳しいチェックや制限が設けられていることが殆どだが、ワンタイムだけは運用優先なのだ。、

そういった「SAPにしては珍しい」性質を持つため、利用する際は充分に見極めて、用途を限定して使用すること。

会計の世界での利用

債権の計上先として

基本的に、できることなら利用しない方がよい。 理由は、ワンタイムを使うということは、取引にあたっての相手先の審査や与信管理を実質行わない或いは行っていない証左であるため。

利用しても差し支えないシーンとしては、その債権の対価となるサービス等が不特定多数を相手にしても問題ないこと(例:売り先の情報管理が不要な消費財など)、かつ取扱い金額が大きくないこと。 商売にもよるが、基本的には、どうしても使わなければならないシーンはそう多くはないため、利用しない前提でよいかと思う。

なお、これは全ての用途について言えることだが、発注書や契約書など何らかの外部帳票(電子データを含む)を取り交わす場合は、利用しない方がよい。

債務の計上先として

こちらも、殆ど上記の債権の計上先についての取り扱いと同じく、利用しない方がよい。 特に、古くから発注〜支払プロセスは不正が発生しやすい業務であるため、統制が効いていなければならないのだが、ワンタイムを使うということは、その内容を管理しないことを意味する。 そのため、営業取引でなく、今後取引の発生が予定されておらず、かつ小額の場合のみに限定するべき。

具体的には従業員が立て替える経費の精算や小口現金から支払う一時的な費用などが該当し、例えばタクシー会社や飲食店などを一つ一つ採番してマスタ登録するメリットはあまりなく、また金額も知れているため、ここに限っては利用しても問題なく

ロジの世界での利用

財やサービスの販売先として

まず、貿易取引においては、相手先の国や、取り扱う財によって管理しなければならない情報があるため、原則利用はNG。

そのため小口の国内取引であれば、というところだが、支払いが振込の場合は使いまわすワンタイムのコードで消込を行うことは難しいため、よほど件数が少ないか店頭での現金商売だろうか? しかし、会計の債権計上先で触れたとおり、ワンタイム取引先に対する販売というのは与信管理など顧客情報を管理していないことを意味するため、(ないとは思うが)どうしても使わなければならない事情がない限りは利用しない方が無難。

財やサービスの納入先として

危険物など、財によっては納入場所が所定のライセンスを持っていなければ納入してはならない等の事情があるため、利用するとすれば「ごくごく一般的な、毒劇物などに該当しない品目」という条件がまず第一にある。

しかし、モノの届け先には、出荷指示書に記載する住所情報や分析の切り口を持たせること、運賃計算のための項目、価格設定の切り口であることも多いため、ワンタイムを利用することは運用面でのデメリットも大きいと言える。

財やサービスの購買先として

上述の「債務の計上先として」と同様。 例えお試しであっても、営業債務の計上先にワンタイムを使用することは宜しくない。

ただし、一定金額以下の経費購買であれば例外的に利用してもよいかと思う。

分析の切り口として

営業担当や代理店などは分析の切り口として利用されることが多いが、これをワンタイムにしてしまっては意味が無い。 もし使うとすれば「分析しなくてよいもの」「分析する価値が無いもの」が対象となるが、そんな項目だったら、そもそも切り口に設けていないだろう。



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